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2019/04/06

江田島第一術科学校 特別広報 歴史と建物コース【春】

無事抽選に当たって参加できた、春の第一術科学校特別広報はもっぱら桜の見学会。当選通知には「開花予想より早いので葉桜かも…」との懸念が記載されてましたが、ものの見事に満開のタイミング。しかも快晴。日ごろの行いが良いんだなきっと。



開始は13時ですが、12時に来てレストランの利用も可能なようです。ならば行かない訳にはいきますまい。レストラン江田島、定番のカツカレーにしようかと思ったのですが、期間限定に弱いのです。シラス丼、いただきます。

レストラン江田島のある江田島クラブの建物、2階は海上自衛隊歴史ゾーンとなっています。そう言えばゲートの第2部は海自が主役でしたか。読んでないけど。

ペルシャ湾に派遣されての機雷掃海、その成果。

通常の見学は破線のコース。

ちなみに今日の公式予定は以下の通り。
・大講堂
・幹部候補生学校(外観及び中庭)
・教育参考館(30分程度)
・水交館
・高松宮記念館
・八方園跡地
・従道小学校跡地

13時に、引率の広報・M三等海曹から招集がかかります。注意事項など説明があってから、いざ出発。

まずは大講堂。通常の見学コースとは逆に裏側の門から。VIP専用出入り口だそうで、かつては高貴門と言われてたとか。ちなみに反対側は平民門。建物は、改修はされてるけれど元々煉瓦造りで御影石なんかも使われてるとか。



次いで、神社跡地。八方園と言うそうです。少し高台になってますが、今では方位盤が残るのみ。この方位盤の周りに敷き詰められた石は全国から持ち寄られたとの事で、様々なものが混じっています。


方位盤には堀江海将の碑文が記されていました。

こゝに立ちて八方を観ず
七つの洋を越えて
眼を世界に啓き
家郷を想いては
国家の繁栄を祈念す
われら海防の柱石
挺身して顧みることなし
名文です。が、昭和40年代では自衛隊の外には出せないものではなかったかなあと思わされます。八方園の名前はこの碑文から来ているのでしょうね。

同じ高台の反対側には、海軍兵学校之碑もありました。ここはあまり人が来ないとの事で、カラスが我が物顔で居座ってるようです。ぞろぞろ人が来たものでがあがあと威嚇されてしまいました。しかし満開の桜の見事なことよ。

来た道を降りると、軍艦赤城戦死者の碑が。日清戦争当時、艦長はじめ亡くなられた方々のための記念碑だそうです。大正6年に現在の位置に建立されたとのこと。


しばし歩くと留魂碑が。「死後は魂の郷里江田島に集まらん」との思いを込めて、当初は教法寺(第一術科学校に隣接)境内に建立され、後にこちらに移設されたとのこと。

もう少し歩くと、白い建物の前の桜の古木を見下ろす位置に。同期の桜の、もう一つの片割れだそうです。そうか、「貴様と俺」だから対になってるのか。中庭にある方は有名ですが、こちらはあまりお目にかかれません。なお背景になってる建物はいずれ取り壊されることが決まっているそうで、この情景は今年限りかも知れないとのこと。


更に歩いていると、昨年の豪雨災害で受けた被害の跡を教えてもらいました。傾斜地が一部崩れたそうで、古い桜の大木が巻き込まれてしまったとのこと。隣のもう一本と合わせて奇麗に咲いてくれた情景が見られなくなりました。



次いで、従道小学校跡地。記念碑が建っていますが、西郷従道海軍大臣、後の元帥に由来する校名だそうです。

天気が良いので予定外のところもお見せしますねと、端っこの方へ。D駐車場と表示がありましたが、イベント時に使われるけれど普段は放置されてる場所だそうです。ここも、桜が満開。



てくてく歩いて衛生課の建物の前を通過。調子が悪い時はここで診てもらうんですが、登ってこなきゃならないから調子の悪い時こそ大変だとか、健康診断の時は血圧が落ち着くまで10分くらい待機しなきゃならないとか、土地がフラットでないと色々あるんですね。

この建物の前でも桜は満開。

てくてく歩きながら。

古い、かつて教室として使われていた建物の側を通過。窓ガラスが落ちたりして相当劣化が進んでいるとのことで、ここもいずれ取り壊されるそうです。

幹部候補生学校学生館前を通過。週末は課業はお休みですが、原則として皆さん街へ出ろ自衛隊の外の環境にもちゃんと慣れろと言うことだそうです。週末は民家に「下宿」するとか。学生の間は万が一にも事故を起こすと大問題になるので、免許証は預けちゃうそうな。自転車とか公共交通機関で移動するのですね。

学生館の前に教法寺跡の碑がありました。今は敷地の外に隣接しています。えーっと、て言うことは先の留魂碑はもとはここにあったと言うことか知らん。

煉瓦造りの建物は水交館。迎賓館として使われているそうです。こちらの建物は、外観写真は公開可、内装は撮影は構いませんが公開しないでねとのことです。こう言ったルールって、守らないと結局自分たちの首を絞める事になりますからきちんと守りましょうね。誰かが違反をすると今回のような公開行事そのものが中止になったりして誰も得をしませんから。

19世紀の開校当時からある最古参の建物だそうです。敷地内の他の建物は煉瓦の積み方が英国風なのに、これだけはフランドル積みと言われる異なる積み方をされているのも謎。天気が良いので内部も見せて頂くことが出来ました。赤いカーペット(緋毛氈?)が敷き詰められています。調度品も、私は不調法なのでさっぱりですが高そうなのは多分確かなんでしょう。以前は学生にマナーを教える会場としても使われたとか。



桜の木が複数並ぶ少し開けたスペース。伊藤整一海軍大将手植えの桜、と言うものもありましたが随分小さい。代替わりしてるんでしょうね。その奥の方にはここの標準木の桜も。ただし標準木の割に他より咲くのが遅くて標準になってないとかなんとか。



次いで、高台を登って到着したのが高松宮記念館。ここも内部の写真は非公開。他の学生は週末市内へ出ますが、流石に当時の次期天皇陛下の弟君ですからそういう訳にもいかなかったのか、ウイークエンドハウスとして建てられたようです。

屋根には菊のご紋章が。

木の扉とか戸袋にしまう雨戸とかなんか懐かしい造りだな。中も見せて頂きましたが、五右衛門風呂やら唐傘天井なんてのも。

この戸袋開くのね。

廊下と部屋の仕切りにはめられたガラスは今の技術では復元できないそうです。よく見ると微妙に歪んでいるのですね。しかも規則的に。洋間には使われた形跡のある暖炉もしつらえてあります。植え込みが小さかった頃は、窓から海が見えたそうです。

ちなみに今回使った玄関は、後から改装されて主たる出入り口にされたそうです。本来の玄関は雨戸の戸袋の向こう側。


少し降りて、今度は賜さん館。昭和天皇行幸の折りに休憩所として作られたけれど、結局使われなかったそうで。全面板張りの床、壁の中央に玉座の跡らしきもの。建築には一部陛下のポケットマネーも充てられたとか。一応ここも内部の写真は出さないでねと言われました。


入り口のマットだけ。

そう言う建物ですから原則非公開なんですが、なんか学内では一部全然違う用途に使われてるとか何とか、微妙にほほ笑ましいお話も聞きました。ええんかおい。

武道場の横を通過。剣道場・柔道場が2面ずつ取れるそうです。剣道場としては日本でも最も古いもののひとつであるとか。

さて教育参考館まで降りてきて、休憩です。水分補給したりトイレに行ったり。そうそう、ここに展示されている甲標的はハワイで引き上げられた個体でしたっけ。

雪風の主錨も展示されています。奇跡の駆逐艦と呼ばれ、大戦を生き延びたフネ。後に中華民国海軍に譲渡され、丹陽の名で活躍。返還を求めたもののこれはかなわず、解体された後に舵輪と錨が送られてきたとのことです。



一般公開ではここから先は行けません。

ドーム状の屋根のある建物は天文館。内部にプラネタリウムがあるそうですが、昭和63年に機械が壊れて以来使われていないとのこと。真空管を使ってるんで、直しようがないとか。それは流石に。いずれ建物自体が撤去される予定だとか。

その向こうにあるのが理化学講堂。写真撮っても良いけど何かが写っても知らないよとな。なんかがいるそうです。ここは確実に。えーっと、ヤバいものが写ってませんように。

で、先ほど遠目に見た同期の桜を別の角度から。幹部候補生学校の敷地なので、近づくことは出来ませんが奇麗な姿を眺めることが出来ました。

術科学校の中庭に回って、もう一本の同期の桜も見せてもらいます。ああそうか、こちらは2回目だった。何年前だったかなあ、やっぱり桜の時期に一般公開で見に来たのは。

中庭には写真パネルで開校当時と現在の教育の様子を展示しています。伝統が息づいているのがよく分かります。

この校舎を含めた建物に使われている煉瓦は耐火煉瓦、耐熱煉瓦で、表面がすべすべした非常に高価な代物だそうです。



建物は改修が行われていますが、階段の手すりのみ最初のまま、歴史を残す意味で使われているそうです。進駐軍に占領された時は内装全面ペンキで塗られて、復元するのが大変だったとか。



晴れているのでくっきり見える古高山の解説、訓練で時々走って(!)登らされるそうです。速い人は10分代で登り切るってほんとかよ。んで山頂から発声訓練でここで聴こえるまで叫ばされるとか。いや風がないと良く聞こえるそうです。

表桟橋、今回はそちらまで行きませんでしたが説明だけ。海の側の玄関口ですね。海上自衛隊ですから。

ポストも今では珍しい丸形。


さてスタートの江田島クラブまで戻って今回の行程はお終いです。最後にバッジを返して記念品をいただいて、売店でちょこちょこ物色してから帰るとしましょう。ありがとうございました。


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